検査事業者の区分と読み方
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本ページの比較表は、各社の公式サイトで確認できた本社・設立、事業内容、認定・登録の掲載、技術の公表などの事実項目を並べたものです。順位付け、おすすめ度、優劣の判断は行いません。公式サイトで確認できなかった項目は「公式サイト参照」と表記しています。
検査サービスを提供する事業者は、単一の業種ではなく、事業の中心点が異なる複数の型で存在します。第一の型は、非破壊検査そのものを専業とする検査会社です。プラントの定期開放検査、溶接部のRT・UT、タンク底板の厚み測定など、検査業務そのものを受託します。第二の型は、エンジニアリングやメンテナンスを主体とするグループの中に、検査・診断を技術サービスとして持つ型です。検査が、補修設計や保全計画と一体で提供される点が特徴です。第三の型は、橋梁や建築物のような社会インフラ・建築構造物を対象に、調査・診断から補修・補強までを担う型です。
どの型に属するかを見分ける手がかりは、公式サイトの事業内容の並び方です。検査手法の一覧が先頭に並ぶ事業者は検査専業の性質が強く、調査・診断・補修が並ぶ事業者は建築・インフラ寄り、設備の保守・運転管理と並ぶ事業者はプラント保全寄りといえます。ここでは、この事業の区分の情報を、各社の公式サイトの記載に基づいて整理しました。
数値の取り扱いには注意が必要です。従業員数や資格登録者数は、それぞれ決算期・基準日が異なり、単純な大小比較はできません。また、この業界では検査手法や実績の見せ方に幅があり、比較表はあくまで「公式に確認できた事実」の一覧です。資格については、放射線を扱う事業者は法令に基づく使用許可の手続きを経ており、その旨が会社概要に明示されている場合があります。記事では放射線の扱いを法令引用の詳細にして、検査手法の整理と資格・キャリアに細部を譲っています。
【比較表】非破壊検査サービス・診断事業者8社
| プレイヤー | 本社・設立 | 主たる事業の区分 | 公開している検査手法 | 資格・認定の公表 | AI・ロボット点検の公表 | 公表実績 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本非破壊検査株式会社(NDK) | 東京都(日本初の非破壊検査会社として1956年創業と公表) | プラント・タンク・配管・建築・土木・電力・発電の非破壊検査(公式サイト「対象別一覧」) | RT・UT(フェーズドアレイ含む)・ET・材料検査(組織観察・元素分析)を公開 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 設立70周年(2026年10月)、定期点検向けに検査員を100名単位で動員できると公表 |
| 非破壊検査株式会社 | 大阪府大阪市西区・設立1957年(昭和32年) | プラント(発電・化学・造船・橋梁・超高層ビル)・インフラ・建築の検査と設備診断、装置の製造販売 | RT・UT(フェーズドアレイ・長距離UT)・ET(アレイ)・赤外線・AE法等を公開 | 放射線同位元素等使用許可、日本溶接協会A種認定、ISO9001、石油学会「設備維持管理士育成優良事業所」を公表 | AI検査データ解析システム(2020年)、ロボット外壁点検システム(高松建設と共同開発)、ドローン点検を沿革等に公表 | 新幹線のレール継ぎ目溶接部の全線検査(1964年)等の沿革を公表 |
| 株式会社シーエックスアール | 広島県呉市・設立1960年(1958年に検査業務を開始と公表) | 検査専業(RT・UT・MT・PT・ET・赤外線)、検査技術者派遣、国内外のQA・QC付帯業務 | RT・UT・厚み測定・MT・PT・ET・赤外線サーモグラフィを公開 | JIS Z 2305(非破壊試験技術者資格)のレベル2・レベル3登録者数、ISO9001、日本溶接協会A種認定を公表 | 公式サイト参照 | 従業員292名+61名(2026年4月現在)、全国16拠点を公表 |
| ハッコウ検査株式会社 | 神奈川県横浜市中区・設立1977年 | プラント設備の非破壊検査専業、労働者派遣 | 公式サイト参照 | ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験の社員合格を公式サイトでお知らせ(2025年5月試験) | 公式サイト参照 | 「プラント設備の非破壊検査専門会社」と公式サイトで自社を説明 |
| 東京理学検査株式会社 | 東京都品川区南大井・設立1975年8月 | 東京ガスグループの非破壊検査(ガス導管・LNG地下タンク・建築鉄骨・給水管劣化診断)、建設コンサルタント | ガス導管工事のX線検査から発展、溶接部検査・劣化診断を沿革で公表 | 日本溶接協会CIW A種、ISO9001、一級建築士事務所、建設コンサルタント登録、JSNDI所属を公表 | AI活用を含むDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を社長メッセージで公表 | 1975年設立以来、半世紀にわたる沿革と東京都第三者検査機関の認定歴を公表 |
| 株式会社カナデビアエンジニアリング | 大阪府大阪市中央区・設立1975年1月 | カナデビア(旧日立造船)グループのエンジニアリング+技術コンサルティング(非破壊検査・計測・診断)+メンテナンス | 鋼・コンクリート構造物、プラント設備、配管の非破壊検査と計測・診断を事業目的として公表 | 日本溶接協会CIW D種認定、RI等使用許可(広島・九州事業部)、建設コンサルタント登録、ISO9001を公表 | 公式サイト参照 | 売上高221億4,700万円(2024年度)、従業員527名(単体・2026年3月現在)を公表 |
| 株式会社クオリティ・ジャパン | 神奈川県横浜市鶴見区・設立1991年(平成3年) | コンクリート・鋼構造物の調査・診断(橋梁・トンネル・港湾・耐震診断・免震建物点検)+補修・補強工事 | RT・UT・MT・PT・超音波肉厚測定・赤外線調査・コンクリート強度試験等を公開 | JSNDI・日本非破壊検査工業会・日本免震構造協会の加盟、建設業許可を公表(保有資格一覧ページは公開準備と記載) | 公式サイト参照 | 社員70名、横浜・大阪・中部・東京・仙台・名古屋等の拠点を公表 |
| 株式会社アトラス | 東京都港区芝・設立2000年6月 | プラント(石油精製・化学・鉄鋼・電力)の配管・タンク底板を対象とする検査とモニタリング | FSM(Field Signature Method)による腐食診断、タンク底板検査、配管の非破壊検査・モニタリング検査を公開 | 公式サイト参照 | ロボット・AIによる検査を事業内容として公開 | 新非破壊検査技術FSMの総輸入元として大手石油精製・化学・鉄鋼・電力で採用と公表、ENEOSと共同特許を取得と公表 |
2026年10月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。事業内容は各社の自己説明であり、第三者による評価ではありません。従業員数・登録者数の基準日は企業ごとに異なり、単純な大小比較はできません。
各プレイヤーのプロフィール
以下は、公式サイトに掲載されている内容に基づく各社の概要です。
NDT-01日本非破壊検査株式会社(NDK)
日本非破壊検査株式会社は、日本初の非破壊検査会社として1956年に創業した企業です。公式サイトでは「リーディングカンパニーとしての自信と誇り」と自社を説明し、検査の種類(表面きず検査、内部きず検査、材料検査)と対象(プラント、タンク、配管、建築、土木、電力、発電)を体系立てて公開しています。技術面では、CUI-VIEWや、デジタル放射線画像システム(NIPS)、フェーズドアレイUT(MiraiATOM)、タンク検査用の特殊技術(カンタンクン)など、社内で名前を付けた技術群を公開している点に特徴があります。2024年11月にはハンドヘルド蛍光X線分析計「Vanta」のページを追加、2026年10月には高感度内部透視スキャナ「Hyper Viewer」のページを追加し、設立70周年の祝賀会を同年10月に開催しています。定期点検の受注体制として、日本国内のプラントなどへ100名単位で検査員を動員できると公表しています。
NDT-02非破壊検査株式会社
非破壊検査株式会社は、昭和32年(1957年)に大阪で設立された検査専業の老舗です。公式サイトの企業情報によると、本社は大阪市西区北堀江にあり、資本金8,800万円、代表取締役社長は山口多賀幸氏です。事業案内には、各種プラントの製作時・建設時の検査、定期開放時の検査と設備診断、各種プラントの事故・故障時の調査、保全工事、地中探査・橋梁・高速道路・高層ビルの健全性評価、検査用のシステム・装置の開発、技術者の教育訓練までが並びます。安全工学研究所を設け、検査技術の研究を内部化している点が構成上の特徴です。沿革では、昭和39年に国鉄東海道新幹線のレール継ぎ目溶接部の全線検査を受注したこと、令和2年にAIを活用した検査データ解析システムを開発したこと、令和元年にロボットによる外壁点検システムを高松建設と共同開発したことを公表しています。また、ドローンによる点検や、FSMをはじめとする多数の特殊技術を検査・サービスの一覧に公開しており、グループ会社としてポニー工業や非破壊検査サービスなどを設けています。
NDT-03株式会社シーエックスアール
シーエックスアールは、広島県呉市に本社を置く検査専業の事業者です。公式サイトは「壊さない検査が、壊れない社会をつくる」という言葉で自社を説明し、沿革では昭和33年(1958年)に中国地区以西で初の検査業者として放射線検査業務を開始し、昭和35年(1960年)に中国エックス線株式会社として設立したと記載しています。会社概要では、RT、UT、厚み測定、MT、PT、ET、赤外線サーモグラフィの検査種目別分類と、検査技術者の派遣(国内外)、QA・QC業務を公開しています。JIS Z 2305(非破壊試験技術者資格)のRT・UT・MT・PT・ETレベル2を合計982名、レベル3を151名保有(2026年4月20日現在)と公表しており、資格の保有規模を見える形で示している点が特徴です。ISO9001の認証、日本溶接協会(CIW)A種の認定、労働者派遣事業の許可も掲げられ、技術系従業員292名(2026年4月1日現在)と、トップページには全国16拠点という記載があります。
NDT-04ハッコウ検査株式会社
ハッコウ検査は、1977年(昭和52年)に設立された神奈川県横浜市中区の検査専業会社です。公式サイトでは「プラント設備の非破壊検査専門会社」と自社を説明しており、プラントの定期検査を中心に、RT・UT・MT・PTの検査に取り組んでいると公表しています。経営理念・品質方針として、「常に顧客のニーズに応え、顧客満足度を向上させる」「顧客の満足する検査サービスを提供する」を揭示しており、検査現場の品質意識を公式ページから読み取ることができます。また、公式サイトのお知らせでは、2025年5月に実施されたガンマ線透過写真撮影作業主任者試験に第1検査グループの社員2名が合格したことが報じられており、現場の技量を支える資格を積み重ねる姿勢を確認できます。なお、検査手法の体系や技術の詳細な公開は公式サイトで確認が必要です。
NDT-05東京理学検査株式会社
東京理学検査は、東京ガスグループの非破壊検査技術を担う会社として1975年8月11日に設立されました。公式サイトの社長メッセージによると、社名の通りX線検査から出発し、現在は研究開発による検査領域の拡大・高度化、コンサルティングサービスへ取り組む姿が示されています。本社は東京都品川区南大井にあり、資本金4,500万円です。沿革では、1975年の設立時からガス導管工事のX線検査を担い、1976年にLNG・LPG地下タンクの検査を開始、1984年に建築鉄骨溶接部の超音波検査、1987年に給水管の劣化診断と、ガス・都市生活の設備を扱ってきました。認定としては、日本溶接協会CIW A種、ISO9001、一級建築士事務所、建設コンサルタント登録を有し、JSNDIにも所属しています。また、AI活用を含むDXの推進を社長メッセージで明らかにしています。将来にわたる都市ガス供給という公益性が高い設備を守る点で、業界の中で特徴的な立ち位置です。
NDT-06株式会社カナデビアエンジニアリング
カナデビアエンジニアリングは、大阪市中央区に本社を置くカナデビア(旧日立造船)グループの企業で、1975年1月21日に設立されました。公式サイトの会社概要では、資本金12億4,200万円、売上高221億4,700万円(2024年度)、従業員527名(単体・2026年3月1日現在)という規模が公表されています。事業は、化学プラント関連のエンジニアリング、鋼・コンクリート構造物、プラント設備、配管設備の非破壊検査・計測・診断・解析を含む技術コンサルティング、機械設備やインフラの保守・点検整備の三つに分けられています。資格・認定面では、日本溶接協会CIWの溶接構造物非破壊検査事業者認定(D種・超音波検査)、放射性同位元素等使用許可(広島・九州事業部)、建設コンサルタント登録、特定建設業許可、ISO9001(DNV認証)を公開しています。社名は2024年10月1日に株式会社ニチゾウテックから株式会社カナデビアエンジニアリングへ変更されました。
NDT-07株式会社クオリティ・ジャパン
クオリティ・ジャパンは、神奈川県横浜市鶴見区に本社を置く、コンクリート・鋼構造物の維持管理を職域とする事業者です。沿革では、平成元年8月にインスペクションサービスとして非破壊検査業務を開始、平成3年2月に株式会社クオリティ・ジャパンを設立しており、社員70名(協力会社除く)と横浜・大阪・中部・東京・仙台・名古屋等の拠点が公表されています。業務内容では、目視点検・叩き点検から、コンクリートの強度試験(反発硬度法、超音波法)、鉄筋腐食量調査、赤外線調査、鋼構造物のRT・UT・MT・PT、耐震診断(二次診断)、免震建物の点検、補修・補強工事までを一覧として公開しています。加盟団体にはJSNDI、日本非破壊検査工業会、日本免震構造協会が名を連ねていて、点検から補修までをバリューチェーンとしてまとめている点が構成上の特徴です。なお、公式サイトの保有資格一覧ページは「掲載情報を準備」とされています。
NDT-08株式会社アトラス
アトラスは、東京都港区芝に本社を置く事業者で、「日本唯一の技術で、配管や石油タンクの検査サービスを展開している会社」と公式サイトで自社を説明しています。特徴は、新非破壊検査技術FSM(Field Signature Method)を総輸入元として輸入・販売・据付・保守を担い、大手石油精製・化学・鉄鋼・電力会社で採用されていると公表している点です。FSMは、金属構造物の腐食や亀裂を破壊せずに検出し、定量的に評価する技術として紹介されています。また、「日本にはない技術に拘り、独自の技術開発に注力し、ENEOSと共同特許を取得する」と、独自の腐食診断技術で発電・石油・化学・鉄鋼の保全に寄与する姿が説明されています。事業内容には、タンク底板の非破壊検査、配管の非破壊検査・モニタリング検査、ロボット・AIによる検査が並んでいます。
事業者を確認するときの視点
比較表の事実項目を出発点にしながら、実際の発注や検討では次の確認が実務に直結します。
事業区分と検査対象の一致
検査対象が発電プラントの配管なのか、橋梁の鋼部材なのか、建築物のコンクリートなのかで、型が合う事業者は異なります。公式サイトの事業区分と検査手法の一覧を対照することで、どの分野の検査に知識が蓄積しているかの手がかりになります。
資格・認定・保険
検査の成果物は、JSNDIの技量認定やNDISに基づく報告書、法令に基づく放射線の使用許可をはじめとする認定・登録と一体で成り立ちます。公式サイトでの資格の見え方に加え、検査工程の品質に関する認定歴(CIW認定や第三者検査機関の認定歴等)を確認します。
AI・ロボット点検の実践の有無
AIやロボットは、点検の対象が燃えやすい環境では人的手の多くを代替しえますが、現段階では完全な代替ではなく、人の判定と組合わさる位置づけが基本です。公表されているものが開発事例なのか、実践しているのかの確認ポイントは、超音波探傷とAIで扱います。
予算構造と発注形態
発注側の予算構造が間欠的なのに対し、受注側は検査期の季節性や検査員の集約・分散の運用に対応します。派遣を含む事業構成を持つ事業者と、検査を一括受注する事業者とでは、サービスの受け方に幅があるため、見積もり段階での確認が基本です。
